7月「希望を並べる 朝の品評会」#03

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 　校門前

ざいまーーす。
はいざーーす。
ふあ……眠ぃ……。

欠伸しない。
僕まで眠たくなる。

そのくらいさせろよ。
ていうか声出さないお前に言われたくねーし。

 　「懺悔部」部室

陽谷先輩の言う通り、「遅刻ゼロ月間」は行われているようです。
といっても、「新生徒会」の面々はやる気があるようには見えませんが。

まさかこんなところでバイト先から借りてきた双眼鏡が役に立つとはな……。

丈夫で使いやすい双眼鏡で大変助かってますよ。
園田先輩のバイト先はなんでもありますね。

それに朝顔の種も栽培キットも、安くで販売してくれて助かりました。

倉庫がパンパンになって棄てる寸前だったっぽい。
すげぇありがたがってたよ。

……眠い。
このまま遅刻者が出なけりゃ俺たちも楽できるってのに。

そうだね。それが一番なんだろうけど……。
うちの学校は結構遅刻者出るんだよね。

そんなにいるんですか？

うん。
遅刻常習犯の丈が目立たないくらいにはね。

お陰で助かってる部分はある。

いいんだか悪いんだか……。

だから「遅刻ゼロ月間」中は、最終的に遅刻者が結構な数になって大変なんだ。
全員に指導をしなくちゃいけないから、かなり時間もかかるし。

ちなみにですが、陽谷先輩が生徒会長だった頃にはどんな罰を与えてたんですか？

反省文だったよ。
うちの学校の伝統らしくて、罰は変えられなかったんだ。
けど、それは生徒会と先生側が組んでいたからこそできたことだから、「懺悔部」でその方法は使えない。
「新生徒会」とも連携してないしね。
だから、「新しい罰」が必要なんだ。

そんで、朝顔の種が必要ってわけか。

そう。
中庭の空きスペースで朝顔を育ててもらう。
楽しく早起きの癖をつけてもらいたいな。

とてもいい案だと思います。
僕たちも毎日朝顔を見回って、影から栽培を助けましょう。

クリエイティブな趣味はハマりやすいらしいですからね。
遅刻者が少なくなるなら「人助け」になる……「懺悔部」のコンセプトとしても合致していますね。

手伝うなら、俺らも朝顔のこと勉強しなきゃいけなくなるじゃん。

みんなで勉強するからきっと楽しいよ。
勉強ついでに、おれたちで朝顔を育てて品評会に出すっていうのも有意義だと思うけどな。

さすがにそれは面倒くさい。

ちなみに、うちの街の品評会は金券貰えるぞ。

……それ、本当ですか？

おう。店長が言ってた。

なるほど。
だからやけに協力的だったんですね。

おい、オレはいつも協力的だろが。
人聞きの悪いことを言うな。

――僕、育ててみたいな。

金に目がくらんだ？

違うよ！
面白そうって思っただけ。
朝顔を育てるなんて、小学校のとき以来してないし。

うん、そうなんだよね。
どんな理由であれ、朝顔を育てることにデメリットはないんだよね。
育てたら意外とハマったりして。
遅刻した生徒がどんな感じで変わっていくのか、今から楽しみだな。

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懺悔部と朝顔を育てよう！